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2024/03/21 不動産ニュース
道玄坂上のエリアで再開発の計画が進んでいる
若者文化の発信地として知られる、東京・渋谷。たくさんの人が行き交うスクランブル交差点が有名であり、外国人観光客も多い。
そんな渋谷で、駅からほど近い、道玄坂上のエリアで再開発の計画が進んでいる。
計画の名称は「道玄坂二丁目南地区第一種市街地再開発事業」で、開発区域は複合商業施設の渋谷マークシティを神泉方面へ通り抜けてすぐの場所だ。
近年、渋谷では数々の大型再開発が進んでいるが、道玄坂二丁目南地区の再開発はどのようなものになるのか、計画が持ち上がった背景や事業の概要について解説する。
開発区域は、JR渋谷駅から徒歩2分の距離にある、0.7ヘクタールの土地だ。
道玄坂と、京王井の頭線の渋谷駅や商業施設などの機能を有する「渋谷マークシティ」の間に位置し、道玄坂に向かって凹んだ形になっている。
抜けている箇所は現在駐車場で、建物は建っていない。
再開発のきっかけはビル群の老朽化だ。区域内に建つ「新大宗ビル」1号館・2号館・3号館などは、いずれも築50年を超えている。
渋谷区都市整備部が作成した資料を見ると、開発区域周辺の課題として以下のポイントが挙げられている。
・坂地形が多く回遊性が低い、賑わい空間の連続性に欠ける
・空き地や広場などの空間や緑地が乏しい
・災害時の対応、防犯への懸念
そのほか、再開発区域を含む道玄坂2丁目エリアの特性として、飲食店が多いこと、敷地面積300平米未満の建物が8割超に上ること、旧耐震基準の建物と1981年前後に建てられた建物割合が5割を超えていることなどが挙げられている。
渋谷の一般的なイメージは「若者が集う街」というものだろうが、近年渋谷駅周辺で多様な再開発が行われているように、建物は概して古いものが多い。
そして古い建物がそのままになっているため、雑多な街並みという印象を受けてしまうのが実態だ。
また、歩道と車道に分かれた道路が少ないことや、道玄坂1丁目方面へ移動するための道が少ないことも指摘されている。街並み自体が古いところも多いだけに、歩行者の回遊性を意識した道路の整備が進んでいないという一面もある。
ただ、渋谷区の資料を見ると、単純に路地裏の雑多な街並みを一新したいというわけではなく、路地裏には路地裏の良さがあると考えているように読み取れる。
その良さを生かしつつ、課題を解決するような再開発事業となるのだろうか。
再開発事業の参加組合員である三菱地所によると、2024年1月中旬、新築工事に着手したという。2022年2月より始まっていた既存建物の解体工事に続き、開発事業が進められている。
一部が凹んだ形の開発区域に、再開発建物が2棟建設され、その建物間には広場が設けられる計画だ。竣工は2027年2月末の予定。
中央にある広場は、地域の交流拠点として利用される予定だ。渋谷区の資料には、課題として「イベントなどの開催ができる広場がない」ことが挙げられていたため、この広場を活用して今後イベントが催されることもあるかもしれない。
建物はホテル棟とオフィス棟に分かれており、ホテル棟は11階建て(高さ約60メートル)、オフィス棟は30階建て(高さ約155メートル)となる。オフィス棟の1~3階部分には店舗などが入るようだ。
ホテル棟には、株式会社テイクアンドギヴ・ニーズが運営するホテル「TRUNK(HOTEL)DOGENZAKA(仮称)」の出店が予定されている。
120~130の客室のほか、エリア最大級のルーフトッププール、スパといった豊富なエンターテインメントを備えるという。
渋谷区はまちづくりの将来像として「世界の注目を集め、魅力的でにぎわいのある、多様な人々が集まり活動するまち」を掲げており、同ホテルは「注目を集めて魅力的」という部分に寄与するように思われる。
なお、ホテルの開業は2027年夏の予定だ。
そしてオフィスは、各フロアとも1500平米を超える広さの高機能オフィスになるという。テナントの入居開始時期は2027年3月。
現在、デベロッパーの関連会社である三菱地所リアルエステートサービスが入居者を募集している。
渋谷駅の周辺は表通りこそきれいに整備されているものの、一歩裏通りや路地に入ると、古い建物や落書きがされている建物も多い。
道玄坂や文化村通りの周辺では、特にその傾向が顕著だ。
しかし裏を返せば、そうした一種の無秩序さも渋谷の魅力のひとつとなっている。
渋谷区は、再開発事業で、裏通りの良さを残しつつ、建物や機能の更新を図ろうとしている。追い求めるイメージと同じ方向性で渋谷の街並みが変化していくことに期待したい。
(朝霧瑛太/楽待新聞編集部)
引用元:【若者のまち「渋谷道玄坂」で進む再開発、オフィス・ホテルのビル2棟を建設へ |楽待不動産投資新聞 (rakumachi.jp)】
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